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PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?症状・原因・治療法を専門医が詳しく解説!

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群:Polycystic Ovary Syndrome)とは、ホルモンバランスの乱れによって排卵がスムーズに行われず、卵巣の中に成長途中の卵胞が数多く留まってしまう状態のことです。
主な特徴として、月経不順や無月経、不妊、ニキビ、多毛、肥満などが挙げられます。

超音波検査において、下のような卵胞が数珠状に並んで見える「ネックレスサイン」が確認されるのが診断上の大きなポイントです。

≪PCOSの主な症状とセルフチェック≫
PCOSの症状には、以下のようなものがあります。
• 月経異常: 月経周期が35日以上と長かったり、逆に短かったりする(月経不順)、または月経が来ない(無月経)。
• 不妊: 排卵が起こりにくいため、妊娠を希望してもなかなか授からない。
• 男性ホルモン過多: ニキビが増える、体毛が濃くなる。
• 体重の変化: 以前よりも太りやすくなった。

≪PCOSの原因と診断基準≫
現在のところ、PCOSの根本的な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が深く関わっていると考えられています。
1. インスリン抵抗性: 血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなり、それが卵巣を刺激して男性ホルモンの分泌を促してしまう。
2. ホルモンバランスの乱れ: 脳下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)のバランスが崩れる。

≪専門医による診断方法≫
日本産科婦人科学会の基準に基づき、以下の3項目を総合して診断します。
• 月経異常(周期が長い、または無月経)
• 多嚢胞性卵巣(超音波で卵巣に多数の卵胞が確認される)
• 血中のホルモン値(男性ホルモンが高い、またはLHが高い)

≪ライフステージに合わせた治療アプローチ≫

PCOSは「治らない病気」ではなく、適切な治療とケアで症状をコントロールし、健康な生活や妊娠を目指すことが可能です。治療法は、現在「妊娠を希望されているかどうか」によって異なります。

状況

治療方針・内容

妊娠を希望する場合

排卵誘発剤を使用して排卵を促す治療を優先します。

妊娠を希望しない場合

低用量ピルやホルモン療法で月経周期を整え、子宮体がんのリスクを下げます。

共通のケア

食事・運動などの生活習慣改善による減量(インスリン抵抗性の改善)。

 

放置せず、まずは専門医へご相談ください

PCOSによる月経不順を放置すると、将来的に子宮体がんや生活習慣病(糖尿病など)のリスクが高まる可能性があります。

「単なる生理不順だから」と諦めず、ぜひ一度ご相談ください。お一人おひとりの体質やライフステージに合わせた最適な治療法を、一緒に考えていきましょう。

 

執筆・監修:広尾まきレディスクリニック 院長 手塚真紀(日本産科婦人科学会 専門医)
※本記事は「産科婦人科診療ガイドライン」および最新の医学的知見に基づき作成されています。

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