10月16日より、産婦人科と周産期医療、そしてそこに派生する社会問題をテーマにした漫画原作のドラマ「コウノドリ」が放送されます。
初めての試みだと思うのですが、先日、TBSより、産婦人科医や助産師対象に、限定試写会が行われました。
ドラマの内容は、あおりすぎもせず、美化もせず、私たち産婦人科医をとりまく日常を淡々と描写し、そこで生じる数々の問題を、役者さんが実にいい呼吸で再現してくれていました。
そう、演技、というより、再現、という感じでした。
胸を絞られるような悲しみも、生きていてよかったという喜びも、普通の生活の何倍もの密度で存在する科。
それが産婦人科です。
普段ドラマはほとんど見ませんし、試写会や俳優さんの舞台挨拶、生まれて始めて行きましたが、主演の綾野剛さんのお話を聴いていて、こんなにも役者さんというものは役作りのために努力するのか、と、大変驚きでした。
「コウノドリ」は、多少重く感じる方もいるかもしれませんが、原作の漫画も面白いです。
なによりも、週間モーニングという男性誌に連載された、そこに素晴らしい価値があると思っています。
主人公の対照的存在役の、星野源さんが、「泣いている子をみると嬉しくなる。元気で泣いてくれることに涙が出そうになる」とおっしゃっていましたが、そんな意識を持つ男性が増えたら、どんなに嬉しいことでしょう。
当たり前と思っていることこそが奇跡。
全10話を楽しみにしています。